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まさ時勢

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プラネテス

幸村誠原作「プラテネス」をアニメ化したもの。全26話。
アニメの評価・批評です。

ネタバレ注意な!


あらすじ
 西暦2075年。人類は宇宙開発を進め、巨大な宇宙ステーションや月面都市を建設するまでになっていた。この時代に、問題になっていたのが宇宙開発にともなって発生するゴミ(デブリ)であった。主人公・星野八郎太(ハチマキ)は、宇宙産業の大手テク・ノーラ社の社員。デブリ回収船トイ・ボックスに乗り込み、デブリ回収の任にあたっている。
 作中ではハチマキを中心に、新入社員タナベの登場、宇宙開発に反対するテロ組織「宇宙防衛戦線」の暗躍、木星住還船フォン・ブラウン号の建造など、様々なドラマが描かれる。

感想
 前半はわりとコミカルな話が多いが、中盤以降宇宙防衛戦線の話でかなりシリアスな展開になっている。
 宇宙が舞台である世界を、SFやファンタジーを捨てリアルな背景の下地を作ったからこそ、隠れた名作と言われるのも頷けた。それだけじゃない、宇宙空間を”無音”で表現するところとか底冷えするような、人の孤独を強く意識させる効果がビビッってくる。あれは痺れたわ。
 この作品で聞き手に伝えたかったのは”いつの時代も人間の本質はそう変わらない”だったのかなーと思った。あとは勝つ。キャラも際立って特にユーリの回はマジで感動したボロボロ涙が出た。オリジナルのキャラもいくつか存在するけど、それらも全部伏線になっていて、無駄がない。NINJAの回はマジでなんじゃこりゃ?ってなったけど。あれも・・・。タバコ吸えなくてマジギレして腹いせに宇宙ステーションを守るフィーの回とかくだらなさすぎて笑っちまったw
 主人公であるハチマキだがなぜだかなーあんまり好きになれない。というかあまりにも身勝手すぎる。そりゃ夢を追うと決めたらまっすぐに進む態度は賞賛に値する。が、タナベと付き合ってどーするんだろうとワクワクしていたら、いきなり相談もなしに木星に行くとか言っちゃって、二人の仲を心配する親友には逆ギレして、久しぶりにあったと思ったら冷たくあしらって一人にしろとか・・・。あーもう言い出したらきりがねぇ。監督と脚本が優しかったからまだ良いが、また別の人が作り手ならテメーは木星もいけず、職も失い、タナベも失う。
超絶BADENDになってもおかしくねーんだかんな!
まあ、最後のプロポーズは最高にベタで良かったけどさ・・・。(ここはなんか有名だったりするかも)

 そしてもう一人の主人公であるタナベのこと。俺はどうもヒロインには見えない。ハチマキ以上の主人公格に見えた。最初はなんか素朴なヒロインだなーって正直興味も関心もなかったんだけど、話数を積み重ねるに連れ彼女の愛が、俺の心にうるさいぐらいに刺してくるんだよ。ほんとキレイ事ばっかりなんだけど、彼女が言うとあーそうかもって肯定する力がある。そしてハチマキと互いに想いを伝えるところとかもうクッソたまんねえええええええェェェ・・・ェ。”女”になってやがんの。上司と後輩やぞ!社内恋愛禁止!

 彼女の魅力がもうひとつ。↓反転してネタバレ
それは物語の終盤、負傷したクレア(ハチマキの元カノ)を背負って月面を独りで救難を探している中で、彼女は愛ではどうしようもないこともあると思わさせられる過去のシーンを思い出してしまい、更には愛するハチマキを空間喪失症から救ったものですら、自分の”愛”ではなく”宇宙”だったことに気づいてしまう。自分では気づかなかった”ひとりよがりの愛”だったと。追い打ちを掛けるように二人の酸素ボンベの残量が急激に減って、タナベはクレアを見捨てれば自分が助かるという誘惑に負けそうになる。しかし、タナベは誘惑を振り切り、脳に障害が残るリスクがあるにもかかわらず、クレアの酸素ボンベを自分のために使うことを断念する・・・。結果、意識の戻ったクレアが酸素を放出することで近づいていた救助隊に助けられ事なきを得た。極限状態での葛藤を乗り越えたタナベの”愛”が、命を救ったところが、最後の最後でタナベはとても魅力的なキャラへと成長を遂げた用に感じられた。

 まとめとして、100点中85点!前半はデブリ課のメンバーを中心としたエピソードが魅力的でとても良かった。中盤以降は先進国と発展途上国との格差の問題をクローズアップする話が増えたが、だいぶ蛇足気味かと感じられた。個人的にはマクロな視点より、もっと個人な問題、ちっぽけな人間が広大な宇宙を前にしてどのように考え、生きていくのかといったものについて描いて欲しかった。でも全体的のバランスもいいし丁寧にストーリーが構築されてるので後者の考えについては人それぞれかな。想像してたより哲学的アニメだったよ。

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